【名字】釜蓋

【読み】かまふた,かまぶた

【全国順位】 45,868位
【全国人数】 およそ50人


【名字の由来解説】

天正年間(1573~1598)のことです。

ある日、戦いに負けた徳川家康は、命からがら瀬戸川をわたり、葦の茂る城之腰(じょうのこし)近く(小川新町二丁目あたり)まで逃れてきました。そして、ある一軒の農家を見つけ、その家に逃げ込みました。

ちょうど夕暮れ時で、おばあさんがひとりでみそ豆をゆでようと、かまどのところで大釜に豆と水をいれるところでした。そこへ飛び込んできた家康は手をあわせて、おばあさんになんとかかくまってくれるようにたのみました。

最初はなにがなんだかわからなかったおばあさんも、事情が分かるとみそ豆を煮ようとしていた大釜の蓋をとり、豆と水の入った大釜の中に家康を押しこみ蓋をしてしまいました。

そして、いかにも豆を煮ているふりをして、下からポチポチと火を燃やしはじめました。

ちょうどそのときです。こんどは五、六人の追手がドヤドヤッっと家の中に入ってきて

「ばばあ、この家に武士が逃げこんできただろう。どこへかくまった。隠すとためにならんぞ。」

と大声でわめきながら手あたりしだいに物をけちらかし、家さがしをはじめました。

でも、このおばあさんはたいへん度胸がある人で、

武士?そんなものは知らんよ。いると思うなら隅から隅までさがしてごらんよ。」

と、何くわぬ顔をして、かまどの火を燃やしつづけました。

追手武士たちは床下までもさがしましたが、逃げ込んだはずの家康が見つかりません。そこでとうとうあきらめて、引き上げていってしまいました。

追手が立ち去るのを見とどけたおばあさんは、釜のふたをあけ、

「もうだいじょうぶ。さあ出てきなさい。」

と家康を釜から出し、

追手はもうこない。急ぐこともなかろう。腹もすいてるだろう。めしでも食べてからいきなさい。」

と、夕飯まで食べさせてやりました。かくまってもらったうえ、夕飯までごちそうになった家康はおばあさんに向かって、

「それにしても、一時はどうなるかとはらはらした。釜のなかは熱かったが、命にはかえられぬから、じっとがまんをしていた。」

といいました。そして、

「もし、わしに武運があって出世したときは、きっとこの恩をかえそう。」

と、紋の入った小づか(小刀)をおばあさんにわたすと、どこへともなく夕闇の中を走り去っていきました。

それからどれくらいの年月がたったでしょうか。

天下をとった家康は、鷹狩りの途中この地にきて、ふたたびこの農家をおとずれました。

おばあさんに与えた小づかを見せてもらい、かくまってもらったときのことをなつかしそうに話し合いました。

おばあさんとの話に満足した家康は、むかしのお礼にと、お金をわたし、この農家に「釜蓋(かまぶた)」という名字(姓)をさずけたということです。

出典/「やいづの昔話」焼津市
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最終更新:2015/08/19 22:14:56  最終更新者:ムッチー


釜蓋さんの多い地域 TOP5

都道府県人数
北海道 およそ20人
新潟県 およそ10人
群馬県 およそ10人
茨城県 およそ10人
静岡県 およそ10人
市区町村人数
北海道野付郡別海町 およそ10人
群馬県藤岡市 およそ10人
新潟県妙高市 およそ10人
茨城県古河市 およそ10人
北海道新冠郡新冠町 およそ10人

釜蓋さんの比率が多い地域 TOP5

都道府県比率
新潟県 0.00053%
群馬県 0.00047%
北海道 0.00034%
茨城県 0.00016%
静岡県 0.00013%
市区町村比率
北海道野付郡別海町 0.09%
北海道新冠郡新冠町 0.082%
新潟県妙高市 0.024%
群馬県藤岡市 0.014%
茨城県古河市 0.003%
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